第20章 後悔の逆の感情
「………逆だよ。
凄く気持ち良かったし、嬉しかった。」
今日はもう、
何でも正直に伝えられそうな気がした。
むしろ、伝えたい、
自分の気持ちを知って欲しいと思った。
「エルヴィンは?後悔してるの?」
「してる訳ないだろ。」
即答され、思わず頬が緩む。
「それどころか、今すぐにでも、
また君を抱きたいくらいだ。」
真剣な表情で頬に当てた手を掴まれ、
徐に目を逸らした。
「あ、ありがとう……」
何と答えるべきか分からず、
取り敢えず謝意を表してみると
「ありがとう?
今すぐ君を抱いていい、ということか?」
都合のいい解釈が耳に飛び込んできて、
つい笑い声が漏れる。
「そんな訳ないでしょ。
……さすがに今日はもう無理。」
「……そうか。」
作ったような残念そうな声が聞こえた後、
タオルケットごと、暖かい体温に包まれた。