第20章 後悔の逆の感情
深く長い交わりを終え、
凛はエルヴィンの胸に抱かれていた。
エルヴィンの激しい情動により、
また何度も意識が朦朧とする瞬間があったが、
なんとか感覚を保ったまま、
共に絶頂を体感することが出来た。
熱の籠った身体がゆっくり離れたと同時に、
エルヴィンにかける筈だった
タオルケットが、凛の身体をそっと包み込む。
「……凛。後悔してないか?」
少し愁いを帯びたエルヴィンの声が、
静かな部屋に響いた。
「……してないよ。何でそんなこと聞くの?」
自分の目の前に座るエルヴィンに、
ゆっくり手を伸ばす。
「感情に任せて、君を抱いてしまったから……
もし不快感があったら」
「あれだけ私を善がらせておいて、
よくそんな心配が出来るね。」
伸ばした手で、エルヴィンの頬をそっと撫で、
笑って見せた。