第19章 ●初体験
「本当に君は……
どれだけ俺を興奮させたら、気が済むんだ。」
エルヴィンの声色は困惑しているが、
口元は微笑が滲んでいた。
「……私も、相当興奮してるからね。
お互い様。」
自然と頬が緩んだ私と対照的に、
エルヴィンの表情が一気に引き締まる。
「エルヴィン……?」
衝動的に、エルヴィンの頬に手を当てると、
その手をそっと握り締められた。
「凛。
今、どうしても君にキスがしたい。」
エルヴィンの一言で、
やっと落ち着いてきた心臓が
また忙しなく動き始める。
「……私も。」
それだけ答えると、
エルヴィンの碧い瞳がゆっくり近付き、
唇と唇が、そっと触れ合う。
初めてのキスの様な優しい口付けにも関わらず、
体温が急上昇するのが感じ取れた。