第3章 逸脱した世界
「すいません、あなたはどこから」
「この数字は何を表しているんだ?」
再び言葉を遮られ、男は携帯の画面を指さす。
「あ、そっか。
数字は万国共通ですもんね。
これは、今日の日付です。
外国とは少し表記の仕方が違うかもしれません。
日本は年、月、日、の順に並んでるんですよ。」
「……2014、年……?」
男の声が少し震える。
心ともなく男の顔を見入った。
「……今は、849年じゃないのか……?」
「……849年……?」
男の言葉を復唱した後、考えを巡らせる。
空き巣に入られていたことに驚き
気にも留めていなかったが、この男たちの服装は
明らかに現代の服装ではない。
どこかの軍服の様にも見える。