第18章 自然な願望
「……相当顔が赤いが。
それは同意されたと思っていいのか?」
「……エルヴィンが近いからでしょ……」
「そうだな。
だが、もっと君に近付きたい。」
エルヴィンにゆっくり視線を向けると、
真剣な表情のエルヴィンが目に留まる。
こんな表情を見るのは、初めてだった。
今までは穏やかで、お茶目な面ばかりを
見ていたことに気付く。
……いや、今まではそういう面しか、
見せないようにしていたのかも知れない。
「……近付いて、いいよ。」
もっと色んなエルヴィンを見たい。
まだ知らないエルヴィンに触れたい。
その思いが身体を火照らせ、
至近距離で見つめるエルヴィンの頬に触れる。
「……ありがとう。」
優しく笑うエルヴィンの唇がそっと近付き、
頬に唇の感触が落ちてきた。