第18章 自然な願望
口を突いて出た言葉を頭の中で復唱し、
後悔と同時に、急激に顔が熱くなってくる。
「いや、ごめん。なんでもない。」
急いでエルヴィンの服の裾から
手を離すが、その手を強く握られた。
「同意してくれるなら、今すぐにでも
君の体温を、より近くで感じたい。」
エルヴィンの太く男らしい声が、
身体を鈍く疼かせる。
「……ルール。
自分で作っておきながら、
早々に破ってもいいのかな……」
思わずそんな言葉が口から溢れ出し、
エルヴィンの小さく笑う声が聞こえた。
「君が作ったルールだからな。君次第だ。」
エルヴィンは私に視線を合わせる様に、
目の前へ屈む。
徐々に碧い瞳が近付き、反射的に目を逸らした。