第18章 自然な願望
風呂から上がり、食卓のある部屋へ戻ると
エルヴィンは畳の上で横になって、
居眠りをしていた。
音をたてないようにエルヴィンの横へ座り、
寝顔を盗み見る。
太く長い睫毛。
くすみのない肌。
眉間から鼻先までが高く、通った鼻筋。
スッキリした顎のライン。
艶っぽく、少し厚みのある唇。
どのパーツをとっても、
綺麗で魅力的としか言いようがない。
心ともなく見惚れてしまう。
ハッと我に返ると、
押入れからタオルケットを取り出して
エルヴィンの身体に掛けた。
その時。
突然エルヴィンに腕を掴まれ、動きを止める。
「ごめん、起こしちゃったね。」
エルヴィンは碧い瞳を
ゆっくり凛の方に向けると、
「……夢を見ていた。」
そう言って、小さくため息を吐いた。