第17章 心を乱す存在
「本当にエルヴィンは凄いよ……
そろそろエルヴィンの隣にいることすら
心苦しくなってきた。」
これは紛れもなく本音だ。
射的を終えてからというもの、
一段と鋭い視線が私に突き刺さっていた。
不釣り合いなことは、
こっちも初めから重々承知している。
だからそんなに睨まないで欲しい……
「何で心苦しくなるんだ?
まだ周囲の視線が痛いのか?」
あっけらかんとした様子で
図星を突いてくるエルヴィンに目を見張った。
「気付いてるなら、
とりあえず手、放してよ……」
「嫌だ。」
提案を即却下され、ますます強く手を握られる。