第17章 心を乱す存在
結局エルヴィンは6発全てのコルク弾を
値段の高い順に打ち落とし、
絶望を飲み込むような表情を浮かべた
店主を尻目に、店を後にした。
「何だかあの店の店主には、
気の毒なことをしたな。」
「大丈夫。
今まで散々儲けてたはずだからね。
たまには痛い目みないとダメでしょ。」
憂色を浮かべるエルヴィンの肩を軽く叩く。
「それにしても、よく打ち落とせたよね。
あれ、重りがついてたんだよ。」
「そうだったのか?
まぁ、狙い所をしっかり定めれば、
そんなに難しくはないよ。」
そう言って笑うエルヴィンに、
周囲からのますます熱い視線が注がれていた。