第17章 心を乱す存在
「チョコバナナを食べているところを、
また見せて欲しい。」
と、何度もエルヴィンにせがまれつつ、
それを拒否して、
エルヴィンを小突きながら歩いていると、
「そこの外国のお兄さん!
ちょっとやってかない?!」
威勢のいい声に呼び止められ、足を止める。
「お兄さんかっこいいから、
500円のところを……480円にするよ!」
……大して下げてくれないんだな。
なんてことを思いつつ、頭から輝きを放つ
おじさん店主に目を向けた。
「凛。あれは何なんだ?」
「あれは射的って言って、
射的銃で台の上に飾ってある景品を
打ち落とすの。」
屋台の奥に飾られた駄菓子やぬいぐるみを
指さし、簡単に説明をする。