第17章 心を乱す存在
「君がそれを食べている姿は、
なかなか興奮するよ。」
その一言で、エルヴィンの意図を知り、
一気に顔が熱くなった。
「ちょ……、なっ、何考えてんの?!」
「すまない。つい。」
「“つい。”じゃないでしょ……!!
そんなこと連想しないでよ!」
「仕方ないだろう。
それを咥えている君の姿がいやらしかっ」
咄嗟にエルヴィンの口を塞ぎ、
強制的に発言を終了させる。
エルヴィンは口を塞がれても尚、
楽しそうに笑っていて、
その顔を見ていると怒る気も消え失せた。
「……ほんっと、エルヴィンには
振り回されっぱなしだなぁ。」
エルヴィンの口から手を離し、
これ見よがしにため息を吐いて見せる。
「そうか?俺も君には、
よく心を乱されているんだが。」
「……私の方が絶対乱されてる。」
小さく呟きながらエルヴィンを見ると、
エルヴィンはチョコバナナを少し齧り
驚嘆の表情を浮かべていた。