第17章 心を乱す存在
「エルヴィン、甘いもの食べれる?」
「……黒いのに、甘いのか?」
確かに色からしたら、甘そうには
見えないかも知れないな……
エルヴィンの返答を聞き、少し頬が緩む。
「黒いけど甘くて美味しいよ。
毒見した方がいい?」
冗談めかしてそう問いかけると、
「……そうだな。先に君が食べてくれ。」
予想外の答えを返され、少し戸惑いつつも、
エルヴィンに凝視されながら、
チョコバナナを一口齧った。
「うん。美味しい。
エルヴィンも食べてみなよ。」
「……なるほど。いいな。」
提案とは関係のない発言をされ、
疑問符が頭の中を飛び交う。