第17章 心を乱す存在
人の流れに逆らわずに、
それに沿って歩いていくと
賑わいを見せている神社に辿り着く。
鳥居の向こうには多くの出店が立ち並び、
エルヴィンの誘いを受けて、
そこへ向かって歩き出した。
「エルヴィン、何か気になる屋台ある?」
鳥居をくぐり、屋台の前を歩きながら
エルヴィンに問いかける。
エルヴィンに視線を向けているにも関わらず、
多くの女性と目が合いそうになるのは、
きっとまたエルヴィンの容姿が
そうさせているんだろう……
視線の意味は分かる。
私とエルヴィンじゃ、
不釣り合いにも程があるからだ。
嫉妬や妬みというより、
きっと違和感からの視線だろう。