第15章 団長の策略？

「元の世界で出来ないことを、
ここでしてみたい。」

「……それが、デートってこと？」

「ああ。
……ダメかな……？」


私はエルヴィンのこの上目遣いに弱い。


これは作戦なのだろうか……


このしっかりとした図体で、
こんな可愛い視線を送られて
拒否する気持ちが起きる訳がない。

このギャップに
絆されない人なんていないだろう。

まんまと“団長の策略”に
ハマっている気もするが、

ここはハマってもいいか。

なんてことをすぐに思った。



「エルヴィンの頼みなら、仕方ないな。
デートに付き合うか。」

わざとらしく肩をすくめて見せると、

「ありがとう。」


エルヴィンの嬉しそうな笑顔が
目に留まり、釣られて頬が緩んだ。