第14章 世界の大半を覆う水
「……真っ暗になっちゃったね。」
いつの間にか海の果てに沈んだ、
夕日があったであろう場所を見つめながら、
ゆっくり立ち上がった。
「本当だな。
海は、ずっと見ていても飽きがこない。」
エルヴィンは私に続いて立ち上がると、
リヴァイの肩を叩く。
「また三人で来ようよ。
次は昼間に来て、海水浴でもする?」
「……この海に入るってことか?」
リヴァイはゆっくり立ち上がると、
海に視線を縫い付けたまま尋ねる。
「うん。こうやって
穏やかな海を見るのもいいけど、
海に入って遊ぶのも楽しいよ。」
海水浴なんて、もう何年もしていないし、
どうしても日焼けが気になるから
自ら進んで行こうと思ったことはない。
それでも、この二人と一緒なら、
すごく楽しめる自信があった。
「それも楽しそうだな。」
エルヴィンは優しい表情で笑いながらも
一瞬でも目を離すのが惜しいとでも
言わんばかりに、水平線を眺め続けていた。