第13章 他人の空似
「ああ。カップラーメンのこと?
そっちの世界には、
あんな感じの保存食はないの?」
「ないな。
野戦糧食であんなものがあれば、兵士たちも」
「“エルヴィン団長”は、
この世界に来ても調査の事ばかりか。」
リヴァイに発言を遮られたエルヴィンは
言葉を止める。
「仕事熱心なのはいいが、
ここの世界のものが俺たちのいた世界で
作れるとは思えねぇよ。
圧倒的な技術の差も、物質の不足も、
お前だって感じてんだろ?」
「……そうだな。だが、何も知らずして
諦めることはしたくない。」
一気に“団長”の顔になった
エルヴィンを見つめる。
こんな向上心が
自分にも少しくらいあれば……
なんてことを考えてしまうが、
エルヴィンの団長としての意識の高さは
桁外れのようにも思えた。