第13章 他人の空似
博物館の地下にある、
範司の研究室の前に着くなり
「おい、入らないとダメなのか?」
と、リヴァイのあからさまに
嫌そうな声を聞き、後ろを振り返る。
「……リヴァイ。
こっちのハンジはもしかしたら」
「あ。リヴァイ、汚いのムリなんだってね。
凛から聞いてるよ。
そんなに汚くないから大丈夫!!」
範司はエルヴィンの声を遮り、
自信ありげな声を上げた。
「……そうは言ってるけど、
あんまり期待しない方がいいと思う。」
私はリヴァイにそっと耳打ちする。
範司のずぼらさは、幼い頃から変わってない。
範司の方が私より
5つも年上なのにも関わらず、
私が範司の部屋の掃除を手伝うのは、
幼馴染としての習慣のようになっていた。