第13章 他人の空似
「あ、そうか。文字は違うんだもんね。
これでハンジって読むんだよ。」
「……まさか名前まで一緒とはな。」
ため息交じりのリヴァイの声は、
少し嬉しそうにも聞こえた。
「えっ、なになに?!
私と同じような人が、
君たちの世界にもいるの?!」
「ああ。同じような人、というより、
全く同じに見えるよ。
俺たちの世界にいるハンジの性別は、
一応女だが。」
エルヴィンは興奮した様子の
範司を見ながら答える。
「そっか。でも私も生物学上は男だけど、」
「範司!!取りあえず、話聞いてもらえる?!」
好からぬことを言い出しそうな雰囲気を察し、
咄嗟に範司の声を遮った。