第11章 戦い続ける為に
この世界でエルヴィンは
“理想の上司”
に当てはまる部類な気がする。
エルヴィンの話を聞く度に、
自分の周りにこんな上司がいたら、
もっと仕事を続けられたかもしれないのに……
なんてことを考えてしまい、
仕事を辞めた理由を
上司のせいにしてしまう自分に嫌気がさした。
「凛。どうした?」
相当暗い顔をしていたのだろう。
エルヴィンに顔を覗き込まれて、我に返る。
「いや。何でもない。
エルヴィンはいい上司だなぁって思っただけ。」
そう正直に答えると、少しの沈黙が漂った後
「……そうでもないよ。」
エルヴィンはそれだけ言って、不器用に笑った。