第11章 戦い続ける為に
「俺も上下関係は重視する方だよ。」
エルヴィンのその発言は、
とても意外なものに思えた。
「上下関係なくして、上官と部下の
適切な信頼関係は築けないし、
俺が団長だということを
しっかり認識してもらっていなければ、
調査にも大いに支障が出るからな。」
「……それなのに、
リヴァイはこんな感じでいいの?」
そっとリヴァイを横目で見ると、
「俺の態度に何か文句があるのか?」
とでも言いたげな表情が目に留まった。
「ああ。リヴァイはそれでいい。
彼は俺に敬語を使わなくても、
自分の立場も、俺の立場も分かってる。
さっき言っていた通り、調査では俺の指揮の元、
存分に力を発揮してくれるからな。」
エルヴィンはそんなリヴァイを見て、
少し頬を緩めた。
「リヴァイは全てを理解した上で、
この態度なんだ。
そんな相手に無理に敬語を使わせようとも、
敬称を付けて呼ばせようとも思わないよ。」