第10章 奔放な我慢
「そうだな。俺もそう思ってた。」
他人事か。
今は君の話をしているんだよ?
さっきから心の中での突っ込みが止まらない。
それくらいエルヴィンの発言は
どこかズレている。
「だけど君を抱きしめたら、
理性はどこかへ行ったよ。」
「ちょっ、理性どこにやったの?
今すぐ拾ってきてよ!」
心の中で突っ込みを入れるはずが、
つい口を突いて出た。
エルヴィンは肩を震わせて笑い始める。
「……いや、もう無理だ。拾いたくない。
君と話せば話すほど、
君に興味が湧くし、君を抱きたく」
「待った!ルール違反ですよ!それは!」
焦りで何故か敬語が混じってしまい、
自分で言っておきながら
堪えきれず笑い声が漏れ出した。