第10章 奔放な我慢
「……!ちょ、それ!それもキスでしょ?!」
「そうだな。だが唇ではない。」
「いやいや!唇じゃなかったらいい
ってもんでもないからね?!」
「耐えきれなかったんだ。
むしろこれだけしか手を出していないことを、
褒めて欲しいくらいなんだが。」
どんな言い分だ。
そんな自由な理由が
通ると思ってるのか。
心の中ではエルヴィンを責め立てるが、
きょとん、とした様子で
言葉を発するエルヴィンを見ていると、
そんな感情が簡単に消え失せた。
「リヴァイのこと止めてたくらいだから、
エルヴィンは理性の強い男性なんだと
思ってたんだけどな。」
取り敢えず皮肉めいた口調で言ってみる。