第10章 奔放な我慢
「……凛。
君がそんなに受け身だと、
本当に先に進みたくなるんだが。」
ため息と微笑みが入り混じった声が聞こえ、
ゆっくり目を開ける。
「すまない。冗談だ。」
エルヴィンのその一言を聞き、
一気に体温が上昇する。
「エルヴィン……
それはダメな冗談だからね?」
「凛がそこまで受け入れてくれると
思わなかったんだ。」
「言ったでしょ……
流されやすいんだってば。」
まさか本当にからかわれていたとは……
エルヴィンにその気はなかったのに、
一瞬でも受け入れそうになった自分が
恥ずかしい。
エルヴィンの方を見ないように、
即座に立ち上がった。