第11章 自立しないと。
「お揃いの指輪するのってなんか新鮮だなぁ」
「平成ではしないんですか?」
「んー…周りの子はしてるんだけどね、こういうの苦手で。」
「えっ」
少し町から外れた所に茶屋があり、そこの外にある椅子に腰かけて話をしていた。
正直なことを話すと椿は顔を青白くさせてわたわたしていた。
「ど、どうしたの?!」
「苦手なんですよね、わ、私さんのお気持ち全く考えずにっ」
「あぁぁ!椿ちゃんとならいいよっうれしい!」
そういうと椿はぱぁっと笑顔になりよかった…とため息をついた。表情がコロコロ変わって忙しいなぁと眺めていると、茶屋に二人組の男性が入っていくのに気が付いた。ここの茶屋には席が少なく、余り長居してしまうのは悪いなと思っていたので椿と一緒に店を出て行くことにした。
すると椿はその男性たちを見て目を丸くさせてこっちにバッと振り返った。だいたいこういう顔をしているときは大変なことをしたか見つけたかくらいなのでどうしたの?と聞いてみた。
「…離れましょう、厄介ごとに巻き込まれます」
「え?」
「いいからっ早く!」
こそこそと話す椿につられも姿勢を低くさせてこそこそと話した。何があったのかよくわからないが椿が厄介ごとというくらいなのだからきっととんでもない厄介ごとに巻き込まれるのだろうと思い、それだけはごめんだとすぐさま茶屋を立ち去った。
「誰かいたの?知り合い?」
「…ど、独眼竜です、それと、右目が…。」
「はぁっ?!」
どうやらあの茶屋は人が寄り付かないとお忍びできたりするようだ。椿は調べていませんでした、と落ち込んでいたがは興奮気味だった。
できれば一目見たいと思っていたがまたごたごたを起こすのは嫌なのでそっかぁ、と眉を下げた。