第11章 自立しないと。
にぎやかな町から少し離れた所に寝床を取ることにした。獣が集まってこないよう火を焚く事にしたが、2人だとどちらかが必ず起きていなければならないので十分に休息をとるのは難しいのだ。
だが椿はそこをに譲り、
「私が火の番をしておりますので、どうぞお休みください」
と言ってきた。これはもちろんがはいと言うこともなく、私がやるよと火の番をかわろうとした。
「そんな、さんは寝ててください!私の役目ですから!」
「椿ちゃんばっかりに任せるなんて、疲れちゃうでしょ?!寝て寝て!」
そういって両者譲らなかったが最終的にこういったことには慣れていた椿がやることになった。どうしても寝たい時にはを起こすということになったが、椿は維持でも寝ないだろうということは知っていたのでは殆ど諦めた。
「も、もしなんかあったらすぐに起こしてね」
「承知いたしましたっ」
はキャリーバッグから寝袋を2つ取り出して椿に渡した。それをみて感動したのか凄いですね!と寝袋を眺めていた。
は万が一外で何日も寝なければならない時の為に予備の寝袋も持ってきていたのだ。今、2つもってきていてよかったと安心している。
「じゃ、おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさいませ」
椿に火の番を任せているという安心感と脱力感からすぐに深い眠りにつくことができた。
…ッ!!
「んん…?」
……ッ…
誰かと誰かが争っているような声がし、うっすらと目を開けていると、そこには夜盗らしき男の集団が椿とのまわりを取り囲んでいた。