第11章 自立しないと。
その後薫との通話は終了し、は椿と二人旅をすることにした。
確かに一人より二人の方がいいかもしれないが、にとっては危機とtなり合わせなことに変わりなく、ぎこちない表情しか出せなかった。
「奥州はここからとても遠いです。休みなしで行ったとしても5日はかかります」
「だよねー…」
女2人が奥州まで徒歩だなんて考えられなかった。というよりそんな事例が今までに何件あっただろうか。そんな無謀なことは絶対に命知らずの女以外やらないだろう。
には命もくそもないと取りあえず北へ向かって歩き続けることにした。
途中すれ違う人と話をして気を紛らわしたり、茶屋によって足を休めたりしている間にもう夜になってしまった。
「あぁー暗くなったね」
「では今晩はここで宿を探しましょう、にぎやかですし、安くていい宿も見つかるはずです」
と椿はうきうきした様子で賑わった町にはいり、宿を探すことにした。
「ま、満室ばっかり…」
「駄目でしたか…」
手あたり次第あたっていくものの、全く開いているところに付かず、もう野宿でもしようかと話し合っていた。
最初から上手く宿に当たらないのは分かってはいたが結構精神的に来るなとは思い、自ら椿に野宿を提案した。これは椿に気を使わせないようにしようという心遣いのつもりだ。
「え?よ、よろしいのですか?」
「一回してみたかったんだよねっ」
虫は苦手だけど、という言葉は置いて、できるだけ笑顔で言った。それを聞いて安心したのか比較的寝やすいところを探しましょうと椿と一緒に寝床を探しに行った。