第8章 まさかくるとは思ってない
「…それにしてもかすがさん、胸大きいですね」
「かすがでいい、というかはそんな所しか見てないのか」
名前をなのればすぐに下の名前で呼んでくれた。やはり女性と話すのは違うんだとは嬉しそうに笑った。
「うん、なんか…目が行く」
「男のようだな」
「よく言われます」
へへ、と笑うとかすがも呆れたように笑ったが何処かうれしそうに見えた。
と、ふとかすがが自室に連れてきてくれたことを思い出す。自室の場所はどうせ敵国だろうし探索済だからわかったんだろうとして、何故連れ出してくれたんだろうと。
「あぁ、其の事か。気が付かなかったのか?落ちていたぞ」
「……えっ、え?嘘だ、えー…じゃあ…」
「佐助が処理しただろうな」
「ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!!!」
もうお分かりいただけただろうか。
は運悪く、あの時生理になってしまったのだ。
こちらにきて1ヶ月経ったのにまだ来ない、と思ったことがあったが、こちらではそういったものが来ないのだろうと油断をして生理用品を持ち歩いていなかったのだ。
どうやら先日の夜佐助と話した時にどっと疲れが出たのはようやくここに落ち着けたと思い安心してしまったから気が緩み、いっきにきたのだろう。
ということは、今までずっと緊張して体調がすぐれなかったということ。
「どうしようかすが私どうすればいいんですかああああ」
「女の事情だ、男に等分かるものか。安心しろ、佐助も忘れる」
「忘れるまでどれくらいの時間がかかるんだか!!」
もう死にたいとかすがに抱き付くとよしよしと頭をなでてくれた。
時間が経つともう日は傾きはじめ、残念そうな顔で帰って行った。
帰り際にまた来てやる、と言い越してくれたのはの次に会う時まで生きていとという意味なのだろう。その日はかすが意外と話をせず、すぐに眠りについた。