第6章 馴染むって決めたんです
「わっ私何もできないし、その、料理だって未来でのしか、その」
「そんな女中みたいな事しなくたっていいよ、どうせ足引っ張るだけだろうし」
余計なひと言をぶっこんできたが、今のには咄嗟に反応することもできず、どうしてこうなったと呆然としていた。
「殿、良かったではありませんか!ここにいられますよ!」
小山田はうきうきしながらそうくるが未だに意図が見えてこない。それか別に深い意味などなくただここに住まわせてくれるという理由づくりでこんなことを言っているのかと考える。
「ほら、旦那。あとは旦那からお願いするだけですよ」
そういって幸村の肩をぽんぽんと叩いていやれば、いきなり魂が戻ったかのように目をかっぴらき背筋を伸ばした。
「殿ッ!!頼まれてはくれませぬかぁぁぁッ!」
ガッと音が聞こえてきそうなほど猛烈な勢いで畳に額をぶつける。俗にいう土下座とやらだ。
ようやくそこでにもはっきり意識がかえってきたのか、その様子を見て断るわけにもいかないし、ましてや置いてくれるなんて、とお礼の意味も込めても激しい土下座で
「よろしくお願いします!!」
といった。
佐助はまた大げさにため息をついてるし、小山田は嬉しそうにほくほくしている。
「殿っ!引き受けてくださるのか!」
「あ、当たり前です!ここに置いてくださるお礼という意味を込めて!」
幸村は心底感動したのか勢いでの両手を掴み満面の笑みでお礼を繰り返している。きっとこれは気が付いた時がうるさいだろうなぁとほかの3人は思っていた。