第6章 馴染むって決めたんです
「、どうじゃ、ここにいる気にはなったか?」
信玄はうれしそうな顔でそう言うとは首を傾げた。何故信玄がそんなことを言うかわからなかったのだ。
「怖がっていたのはじゃ、我ら武田軍はどんなおなごであれ恐れることはない。寧ろ拒絶しようとしていたのは…」
「…私?」
よく考えてみればそうだった気がする。
馴染もうとしていたのかもしれないが、ここにきて小山田や椿、信玄らしか話をしていないし、あちらが避けていたというよりが会わないように避けていたような気がする。
それに気が付けばは真っ青な顔をして信玄や皆に向かって猛烈な土下座を繰り出した。
「もっ申し訳ありませんッ!!」
「はっはっは、気にする出ないわ!」
そう言うと重臣らもそうじゃそうじゃと大声で笑いだした。
「さて、酒でもたしなむかのう!」
「飲んでらっしゃるではありませんか!」
は小山田から目配せを受け、外に出ることにした。信玄に一言告げればよい、といって外出を許可してくれた。
「殿は酒などはお好きではないのですか?」
「あー…未来では20歳以下はお酒飲んじゃダメなんです」
そう言うと小山田は楽しみが減ってしまうのですねと残念そうにつぶやいた。こうしてみてみると小山田は感情豊かだし、気持ちをちゃんと出してくれるから話しやすい。
「そういえば、真田さんと猿飛さん、いらっしゃいませんでしたね」
「これから行くのですよ」
え?!と思わず目を見開くと小山田は苦笑いをしていた。きっとこうやって呼び出されていたことを信玄は知っていたからこそ宴から出ることを許してくれたのだろう。
心配そうに小山田を見ると、
「私も一緒にいますから」
そう言って道を先導してくれた。
こちらに来るまでは幸村と仲良くしたかったのだが、こうしてみると小山田も案外仲良くしていてもいいのかもしれないと失礼なことまで思える余裕まで出てきた。