第18章 気持ちに嘘はつけません
「お館様ァッ!!奥州の伊達政宗がこの甲斐に入ったとの知らせが!!」
この織田が動く時期に伊達軍と武田軍がぶつかり合ったことはあっただろうか、と必死にアニメやゲームの内容を思い出すが混乱して頭が回らず首をかしげるしかできなかった。
「伊達の子倅が、この時期になんだというのじゃ」
「分かりませぬ、ただ焦ったように見えたとのことでございまする!」
「焦る…?」
何に駆られているのか、この時期に伊達軍が焦るようなことは決してなかったはずだ。やはり何かが違うのか、何が違うのか把握し切れていない#nmae1#は周りが次第に焦りだしてくのに身を任せるしかなかった。
「あの速さであればもうそろそろ此方に付く頃合いk」
「武田のオッサンはいるか?!!」
「わぁ煩い」
佐助は耳をふさいで迷惑そうにつぶやいた。
その様子に目もくれず政宗は信玄の目の前にドカッと腰を下ろした。その後ろから小十郎も急いで追いつき、部屋に入る前にしっかりと一礼をして政宗の斜め後ろに腰を下ろした。
「そのように取り乱すとは、何事じゃ」
「俺の国が織田による奇襲で傷を負った。」
「嘘、…な、なんで」
にはそんなストーリーに覚えは全くなかった。
直接的に大きな被害は受けていないはずだ。こうして武田に報告するようなこともなかったはずなのに、何故だとには疑問でしかなかった。
「伊達の被害は大きいもので、村のほとんどが壊滅状態。かろうじて城の周りだけは生きている」
「…して、何故そのようなときに城を開けておる」
「このことを報告しなければならねぇと思った。」
「明智光秀と名乗るものが、次は甲斐だと、そう呟いていたのを聞いた者がおりまして」
は部屋を飛び出して自室へ向かった。