第16章 放浪も悪くない

「そうそう、こんな感じで幸せになって皆戦なんて止めちまえば」

「慶次ｓ…慶次、違うよ、私別に伊達様と一緒になるとかそんな」

「いや？俺はと生涯を共にするつもりだぜ」

「この小十郎はうれしく思いまする…！」

「話を聞かんか」

どうやらここにいる全員頭のどこかのネジが抜けているらしく、ありもない話をガツガツ続けて行ってしまうらしい。
小十郎はまるで親のような顔で政宗とを見ているし、慶次は兄のような態度でけらけら笑ってるし、政宗は本当に恋人の様にの肩を抱いている。

「ちょ、ちょちょちょ、いやぁあの」

「照れんなよ、あと俺にも畏まらなくていいからな」

「は？伊達政宗様にそんな事できるわけないじゃないですか」

「伴侶になるならいいんじゃねぇか？」

「慶次が無責任なのはよくわかった」

敬語が外れたかと思えば途端に慶次の扱いが雑になったのを小十郎はよく感じていたので、先程から笑いをこらえている。
慶次はそんなに気にしていないらしいが。

「私は慶次と一緒に加賀に行ってきますから！」

「来てくれるのかい？！」

「もとより其のつもりだったし…いろんなところ行ってみたい！

「あ？政宗様と一緒になると」

「言ってません」

ほら早く、と何の準備もしていないのには慶次の腕を引っ張っていこうとせかした。
慶次は嬉しそうにの頭をぽんぽんと撫でた。