第15章 恋しい気持ち
その頃は大慌てで宴の席へ急いだ。
変な事を言ってその気にさせてしまったら面倒だと思っていたのだ。
いや確かに夢小説ではありがちな展開だが展開が早すぎると焦っていた。
「いやいやいやおかしいおかしい私はここに身を置くなんてあはははは」
走りながらそうブツブツ言うから、通り過ぎる女中に不思議そうな目で見られていたのには全く気が付かないらしい。
スパァァァンッ
「義姫様ッ!!変なこと言ってないですよね?!!」
「あら、今その話をしていて」
「ちょうどいいじゃねぇか」
「クソォッ!!!!!」
は襖を壊れるのではないかというくらいの威力で開け放ち、義姫にそのままの勢いで聞くと案の定話していると聞いてその場に崩れ落ちて床を盛大に殴った。
「遅かったか…っ」
「いいではないの、ほら、、話に加勢するのじゃ」
思い頭を持ち上げるとそこにはにこやかな義姫が政宗と一緒にこちらを向いていた。
政宗の顔は何とも言えぬ悪そうな笑顔を浮かべていて、平成での家の近所にある小学校から帰ってくるあの餓鬼がたくらぬ笑顔に似ていると思い出していた。
「…一応、あの、聞きますが…伊達…様…」
「Ah?俺はwelcomeだぜ」
「No welcomeです」
は即答をブチかましてそそくさと部屋へ帰って行った。
その話を阻止しに来たのに、これ以上進むところにいたら誰も止めてくれそうにないので聞かなかったことにした。