第15章 恋しい気持ち
「のうっよかろう!行く当てがないのであらば」
「だっ駄目です…!きちんとそれは段階を踏まなければ!」
「幸せになれる道と思うがのう?」
「片倉さあああああああん!!!」
「小十郎のほうが好みか?」
思わず小十郎の名前を叫ぶと義姫はキラキラしたような目でを見つめた。
しばらく黙っているとばたばたと走ってくるような音が聞こえてスパンっと襖が開かれた。
「どうしたっ…はっ、よ、義姫様!御無礼を」
「よいよい、ところで小十郎っ」
「義姫様ぁぁぁッ」
変な誤解を招くことになるので急いで義姫の口をふさいだ。
その無礼な行為に小十郎はを叱り飛ばそうとしたが、あまりにも必死そうな顔なのでこれは義姫が何かしたなと思い出かけた小言を引っ込めた。
「な、何が…」
「今日は晩いですからッ義姫様を!!」
「なっ、ッさっさといってしまった方がよかろう?」
「だめだめだめですからッ駄目です!お帰りになってください!!!!」
の真っ赤な顔は別に照れているわけではなく、ただ必死なあまり顔に血が上ってきてしまったのだ。
政宗の嫁だろうが小十郎の嫁だろうが、なるきはサラサラない。この地で身を固めては色々面倒なことになりそうだ。
「さて小十郎、話があるのじゃ」
「話とはなn」
「義姫様ァっ政宗様が探しておりました!!!」
丁度いいところで家臣が入ってきて義姫を連れて行ってくれた。
は安堵の息を漏らした。