第13章 奥州でも話します。
慶次は政宗からの応答がないのをみて無言の了承だと判断したのかの腕を引き、立ち上がらせた。
「な?ちゃんだっていろんな所に行きたいだろ?」
「そうですね…」
「なんかあったら武田に送り届けるからさ」
それを聞いては顔色をさっと変えた。それに気が付いた政宗はにやりと笑って立ち上がりの肩を掴んだ。
「武田で問題でも起こしたんだな」
そういわれてしまえば事実なわけで、何も反論ができずに固まってしまった。慶次はやわらかい笑みを消して深刻そうな顔で俯いたの顔を覗き込んだ。
は目を合わせることなどできずにそのまま視線をそらしてしまった。
「…伊達は少なくとも武田と対立関係を築いてる、武田に戻りたくねぇって言うならここにいる方がいいと思わねぇか?」
「喧嘩でもしちまったんなら仲直りした方がいいと俺は思うぜ?そのままにするなんてちゃんの心が耐えられない」
を挟んでそうは言うも何とも答えられない自分がいた。
伊達にいれば確かに武田となれ合うことはないだろうしその辺の心配はないだろうが、アニメでも夢小説でも衝突が多い。その分顔を合わせる機会は増えるだろう。
前田に行けば慶次の事だ、仲直りと称して武田領に連れていくかもしれない。だが慶次は元親と親交が深いはずだ。その情報が漏れてしまえば間違いなく元親も武田へ向かい無駄な戦が増えてしまうかもしれない。
「わ、私…っ」
此処を出ます、と言おうとした瞬間
「さんっ!!大事有りませんか?!」
「Shit…おい、小十郎!見張りはどうした!」
「申し訳ありません!」
椿が滑り込んできたのだ。