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オンナナレさせてみせますから

第13章 奥州でも話します。



「政宗様、その娘は姫ではないようですが武田との面識、…いえ、身内の可能性がございます」

「Ah?どういう事だ」

は一体何を言い出すんだと慶次の右後ろの方にいた小十郎をにらみつけるように見た。慶次もを驚くように見てから小十郎が手にしている短剣を見た。
その短剣にが気が付いたのはそれが政宗の手に渡ったときだった。

「…、どういう事だ?いくら武田の元で働いてる女中だろうが農民だろうが、こんな立派な小刀は持たせてもらえないはずだぜ。それにご丁寧に家紋まで掘ってある」

「そ、それは…その…」

「ここに来る前に武田でどういう待遇だった。」

「ど、独眼竜、順を追ってちゃんに説明してもらえばいいじゃないか!」

不味い雰囲気になったのに気が付いたのか慶次はとっさに口を出した。政宗は慶次の言葉を聞いてそうだな、と頷いた。

「ちゃん、ゆっくり話しな?俺はここで聞いたことをどこかに漏らしはしないから安心していいよ」

「わ、わかりました」

慶次は安心させるようにの頭をぽんぽんと優しくたたくと少し後ろに下がった。きっと余計な口出しはしないという表しなのだろう。
何から話せばいいのか戸惑っていると小十郎が口を開いた。

「まず、どこから来たかを聞かせてもらおうか。武田の身内なら甲斐だろうがのような人間がいたとは聞いたことがねぇ」

真実を話せばどうなってしまうのか、武田の様に受け入れてくれるとは思えない、は嘘をつこうか迷っていた。
政宗や小十郎は忍びではないので多少の嘘は見抜かれないだろうが、それでもより勘は優れているはずだし、表情の変化などでそんなことはすぐに分かってしまうだろう。

「ちょ、ちょっと!そんな脅すような口調じゃ話せるもんも話せないだろ?」

口を閉ざしてしまったを見かねて慶次が助け船を出してくれた。
今まで固まっていた空気が少し柔らかくなったのは慶次の御蔭だ。




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