第13章 奥州でも話します。
「で、nameは?」
「あっ、と申します」
「その辺の町娘ではないとは思っていたが苗字持ちだったんだな、アンタ」
やはりわかるものなのだろうか、とは苦笑いをした。
そう思っていると政宗はふいに近づいてきて何をするかと思えば座っているの顔をじっと見つめてから手をとった。
「え、な、なんですか」
「…町娘に化けるならもう少し痩せこけるこったな」
「は、はぁ!?」
ケラケラ笑いながらそう言う。
はイラッと来て手を払い退けた。
「別に化けていたわけじゃないですからッ」
「Stop、そんなに怒るなよ」
「怒ってません!」
こんなことになるなら大人しく武田のほうにいるべきだったと思い切り政宗をにらみつけていると突然後ろの小十郎が誰かにどなっているのが聞こえた。無理矢理椿が来たのではないかと振り向いたがそこには椿ではなく男が立っていた。
「久しぶりだな!独眼竜!」
「勝手に入ってくるんじゃねぇ!」
「アンタも暇だねぇ」
あの特徴的な高い位置で結ってある髪、派手な服装に肩に小猿を乗せて右手を上げてニコッと笑っているのは前田の風来坊の
「前田慶次…さん…?!」
「おぉ?俺の事知ってるのか!」
嬉しそうに部屋に入ってきたかと思えばの隣に腰をドカッと下ろした。