第10章 欲求
「ありがとうございます。
……では、失礼します。」
モブリットは私をチラッと見るものの
すぐにエルヴィンに視線を戻し一礼をした。
そして、背を向けてドアノブに手をかけた時だった。
「ねぇ、エルヴィン。
さっきの続きなんだけどさ、
お尻も触りたい。」
もちろん
モブリットの動きが止まる。
エルヴィンは少し驚いた表情を
見せたものの、
すぐに口角をあげた。
エルヴィンのこういう所が
私は好きだったりする。
「今日なんかお尻を欲しててさー!」
「構わないよ。
服の上からでいいのか?」
エルヴィンがわざわざ
私の前に立ち、
後ろを向いてくれた。
座っている私の目線には
モブリットとはまた違う、
引き締まった筋肉が目に入った。
「おー綺麗な形。
羨ましいわ。
じゃ、失礼しまーす。」
軽くそう声をかけ、
そっと手を伸ばした。