第12章 夏の風物詩
「モブリットって
蚊にも
モテるんだね。」
痒みという
見えない敵と戦っている
モブリットが何だか可愛くて
ニヤニヤしてしまった。
「全然嬉しくないよ。
カコは刺されてないの?」
「ありがたいことに
蚊にもモテないみたい。」
大人気のモブリットに
自慢するかの如く、
腕をぐるぐると
見せつける。
「俺なんか
足とかも刺されてるのに…」
ムッとした表情の
モブリットも可愛いなぁなんて
思いながら、
また何時もの様に
フツフツと
モブリットに怒られるであろう欲求が
湧き始めた。