第11章 熱
次に気付いたらベッドの上だった。
あーやっぱり倒れたか。
身体は痛くないから、
なんとかしゃがむのは間に合ったんだな、
なんて呑気に考えていた。
室内は
外よりは涼しいものの、
やはり身体の不快感だとかは
拭えない。
まだ少しクラクラする頭を
支えながら、
上体を起こした。
「カコ!
まだ起き上がらないで。」
重い頭を
声のする方へ向けると、
険しい表情のモブリットがいた。
「モブリット…」
なんだか安心して、
名前を呼んだ。
「まだ横になってて。」
「暑い。」
「何も被らなくていいから。」
モブリットは
私の上に乗っていた
布団をどかした。
未だに
脳がグワングワンと
回っていたため、
おとなしく枕へ頭を戻した。