第4章 妖艶な眼差し
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プルルルル....プルルルル....
「何だ?」
電話に出たのは、いつも彼女に仕事を回す男だった。
「仕事、終わったわよ」
「....そうか、早いな。相手はそこそこ強い奴なんだがな。まあ...お前の能力であれば関係ないことだが」
彼女にとっては相手がどれだけ手練れであろうと皆一緒だった。男なら誰にでもある情欲さえあれば...
「それで、報酬は?」
「500万ジェニーだ」
「安いのね」
「ったく、お前は金に関しては貪欲だな」
「当たり前よ。この世で唯一信じることができるのは金なんだから」
電話の向こうの男は一瞬言葉を失ったが、ハハッと高笑いしながらこう告げた。
「ならお前にピッタリの仕事があるぜ、これがうまく行けば相当の報酬がくる」
「へえ...どんな仕事?」
「いつもと一緒だ、ある男の暗殺依頼....が、やはり報酬がバカ高いと同時に危険度もかなり高いぞ」