第1章 サディズムな彼女
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「なぁ」
「何?」
「おめぇには性欲ってもんがねぇのか?」
金髪の男、名をフィンクスが怪訝そうにソファに座る隣の女性を見た。
漆黒の美しい長い髪を手で弄びながらクスリと笑う女、名をルイはクスリと笑い
「どうでしょうね」
と言った。
「私の体に興味があるのかしら?」
今の彼女の身を纏うは白のドレス一枚。
フィンクスの顔を覗き込もうと身を屈ませれば、胸の谷間が見えた。
彼女の手は既にフィンクスの足にあり、もう一方の手は頬に添えた。
彼は昂る気持ちを抑えようとハァ、と溜息をついて、ソファを立った。
「なんかお前のペースに乗せられそうで嫌だわ」
「...そう、それは残念」
女は妖艶な笑みを浮かべ立ち上がり部屋を後にした。
厄介な女だ。
でもあんなにいい女は何処を探してもいない。それこそ俺たちの団長、クロロが気に入るぐらいに....
容姿は非常に端麗、しかしその歪んだ性格ゆえに、旅団の男メンバーはその自由すぎる行動に頭を悩ませていた。