第2章 伸ばした手が触れる残像。
『悠…ここ?…ここがいいの?』
『ああっ!…やぁっ、ん!!』
暗い部屋になれた視界は、拓真から与えられる快感により涙が滲む。
男同士なんて拓真も初めてなはずなのに、その手つきは慣れている。
…なんでこんな慣れてるんだよ。
嫌な予感が一瞬脳裏に浮かびぐっと下唇を噛むと、うつ伏せになっている俺に拓真が覆いかぶさってきた。
『今、何考えてたの?』
『なんでも…ね、っ…』
涙声になってしまったうえに言葉に詰まり、下手な誤魔化し方になってしまった。
拓真はそんな俺を見逃さない。
『嘘。…何年幼馴染やってると思ってんの』
だからと言って、何で男同士のセックスに慣れているのかなんて聞けるはずもない。
本当…こう言う時の幼馴染ほど厄介なものはない。
『…もっ、本当なんもねーから…』
『……悠……』
ついにボロボロと泣き出してしまった俺を見て、拓真は手の動きを止めた。