第3章 溢れる恋、腐敗して。
そんなこと言ったってしょうがねぇだろ。
授業が開始してしまったので、俺はそう心の中で抗議してからふいっと窓の外を見る。
あー…会いたい。
触れたい。
ついさっきまで一緒にいたのに、すでに俺は後輩を恋しがっている。
好きだ…どうしようもない程。
体の奥がムズムズとする。
あー…ダメだ、これ。
何かの周期みたいにどうしても好きな奴に触れたいと思ってしまうこの現象。
俺は机に突っ伏して目を閉じた。
教師の声が遠くに聞こえる。
眠りに落ちる前に俺の脳裏に浮かんで消えたのは、あの後輩の顔だった。