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苦しみの中の幸せ Part4 [銀魂]

第3章 時には昔を思い出そうか



高「ならあのガキはどうなるんだ?」

私はその一言で引き戻された。
ガキ…

『神威…』
高「アイツはおめぇを慕ってる。誰よりも、何よりも大切に思ってんのはこっちからでも分かってんだ。瑠維おめぇが気づかないはずあるめぇよ」

気づいてる、気づいてるよ。
神威が力を求めたのは、私と出会う前から…
でも、今神威が力を求めているのは
確実に私のせい。

神威は私を越えることを目標とし、同時に私と同じ道を歩もうと考えている。

年相応の思考をあの子は持っていない。
ただ、己の欲求を素直に受け入れて、それを表しているだけ。

強者を求める理由もそれ、私を手元に置いておこうとする理由もそれ。

あの子は私の強さを愛している。
最初はそう思っていた。
だが、少しずつあの子の不器用な愛情に気づいていった。
不器用でわがままで自己中。

それは、仕方のないこと。
あの子はきっと愛情を知らないから。

もし、あの子を一人にすればどうなる?

その答えはとっくの昔に出ている。

あの子は変われない。
今のまま大人になっていく。

変えなければならない。
あの子を、元の優しい子に…

高「まあ、今は決めきれねぇだろうな。おめぇは大切な物を作りすぎてんだ」
『分かってる…でも!』
高「でも、か…それでなにか変わるんなら言い訳してろ。かわんねぇよ。おめぇが何かを捨てねぇとならねぇ。守りてぇならどっちか選べ」

どっちか?
この居心地がいい場所を選ぶか、それとも神威を選ぶか…

私は頭を横に振った。

『選べるわけ…ない。絶対に誰も死なせない!私は…私のやり方でみんなを救って見せる!』

晋助を睨み付けるようにそう答える。

そのとたん、急に乾いた笑い声が聞こえてきた。
その笑い声の主は…

一橋喜喜
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