第3章 時には昔を思い出そうか
そしてその夜・・・
私はトシを探していた。ここ数時間、姿が見えない。
それを言えば、総悟もだけど・・・
『ジミー、トシと総悟知らない?』
手っ取り早く、その場にいたジミーを捕まえ尋ねる。
山「え?知りませんよ」
『あの二人・・・どこに行ったのよ』
山「いや、局長もいない・・・」
『ああ、近藤さんはお妙さんのところだから。いつものキャバクラだから』
もう確認済みだ。
ジミーと二人で、トシたちの行きそうな所を考えていると、不意に後ろから声がした。
原「副長たちなら、違法物品を密輸しているってタレコミが入ったんで、それの確認に行ってるはずだが・・・」
『違法物品・・・?』
その声の主、原田さんを見る。
原「なんでも動物の死体だとかなんとか・・・」
動物の死体?違法物品?なんでそんなことのためにトシと総悟が・・・
死体?密輸・・・
『どこに密輸してるって?』
原「さ、さあ。お偉いさんのところとしか・・・」
お偉いさん・・・
まさか!?
『ごめん、原田さん。ちょっと出てくる!』
原「え!?ちょ・・・」
私は隊服のジャケットを取り、腰に差してある刀に無意識に触れる。
『変なことに首突っ込んでんのは、あんたでしょ・・・』
数日前、トシに言われたことに反論を返し、ブーツを履いた。