第3章 時には昔を思い出そうか
沖「瑠維、アンタ俺らの味方だよな」
『え・・・?』
総悟の言っている意味が理解できなかった。
私は、味方よ?
沖「疑う気はねぇ。ただ、あんたは色々と勘が鋭い」
『総悟?』
沖「不安なんでィ。俺は絶対にアンタを敵に回したくねぇ。頭の回転の速さ、剣の腕・・・どれもかなわねぇからな」
だが、
と総悟は続ける。
沖「近藤さんが瑠維のことを斬れ。そう言うなら俺ァ、かなわなくともアンタに向かっていく。たとえアンタに首だけにされようとも、俺ァ殺す気だ」
『もし、私が真選組の敵に回った場合ってことね』
いつも、無邪気な顔をしてみせる総悟がどうしてここまで敵意をむき出しにしているのか。
その答えは私の今までの行い。
攘夷志士であった、春雨の団員であった、舞鬼神としての私の行い。
総悟に疑われても当然なことしかしていない。
『わかってる。私は裏切らない』
沖「わかってまさァ。一応ってことでィ、一応」
総悟はすぐに元の表情に戻った。
年相応の柔らかい表情だ。
沖「じゃ、俺ァ土方さんに報告してきまさァ」
『ん?何を』
私が問うと、総悟は唇に人差し指を当て
沖「内緒でさァ」
意地悪な笑みを残して、そのまま去っていった。
私はと言うと・・・
『総悟・・・今のは反則でしょ』
総悟の可愛さに悶えてました。
いや、そんな変態的な意味でじゃないから!
ただ、仕草が可愛かっただけだから!!
それだけだから!