第3章 時には昔を思い出そうか
土「はぁ!?」
『いや、妬いてるというよりか、自分だけ知らなかったから怒ってますよね?」
驚きに満ちているトシの顔は、かなり爆笑ものだ。
土「んなわけ・・・」
『へぇ?じゃあ、近藤さんに相談してたら、副長はこんなことしないんですか?違いますよね?また、「副長である俺に!」とか何とかかんとかで、怒りますよね?』
はい、形勢逆転!!
『それって妬いて・・・んっ!?』
言い終える前に、唇を塞がれる。
それは、深いものではなく、軽く唇を重ねる程度。
土「黙ってろ、馬鹿」
ほとんど唇が重なったままで囁かれる。
まっすぐ私の目を見つめ、もう一度重なる。
また、合わせる程度。
私は、トシの上着の袖を引き、もう一度とねだる。
すると、意地悪な笑みを浮かべてくるので、自分から重ねてみる。
何度もついばむようなキスの後、また唇の上で囁かれた。
土「・・・妬いてたら悪いか?」
『え?』
まさかそのことを認めるとは思ってなかったので、驚いてその端正な顔を見ると、少しだけ、頬が赤く染まっていた。
『・・・悪いなんて、誰が言いました?』
土「あ~・・・ほんとお前ムカつく」
私は、その愚痴に笑う。
『さて、仕事ですよ。副長』
土「・・・もうちょい」