第2章 再確認
夜「土方殿、沖田殿。そして、藤間殿。我々の仕事は、はたから見れば汚れ仕事かもしれませんが、我々は罪人の咎を払い、その魂を無垢へと還す、この剣に誇りを持っています」
その言葉に、私も頷いた。
『それは重々承知しています。私たち真選組も、チンピラ警察などと呼ばれておりますが・・・。私は一般人を護り、刀を持つことの出来ない者に代わって罪人を取り締まる。あなたと同じように私も、この一振りの刀に誇りを持っています』
営業スマイル全開で、腰に差してある刀の柄をなぞった。
夜右衛門はそんな私の仕草を見守ると、すぐにまた、あの笑顔に戻った。
夜「ご理解いただけて何よりです。私は、このような信条に欠けた剣、我が家中には振るう者はいないと信じております」
私に同意を求めるような視線を投げかけてくる。
トシはその言葉に口を開いたが、私は手で制した。
『私もあなたの立場なら、同じように信じるでしょう。しかし、残念ながらこれ程の技は、あなた方、池田家以外の者には不可能でしょう。調べてみると、この首は皮一枚でつながっているのではありませんでした』
後の言葉はわかるだろう。
あえて言葉を濁すと、夜右衛門が私の言葉を代行した。
夜「・・・傷口が鮮やかなため、細胞が癒着しかけている」
『その通りです』
私はそのまま笑顔で続ける。
『これは一端の浪人には大抵不可能。我々真選組にも、ここまでの技を持った者はいないでしょう』
トシと総悟の「自分の事を棚に上げるな」という視線が痛い。