第4章 Mighty Long Fall
[暗闘反目]1
奈々美は執務室に置いてあった瀞霊廷通信を読み漁っていた
向こうの方では乱菊たち三人が自分の書いた論文を見て何かを言っている
最近のそれは新入隊員の証明写真が貼ってあり、長ったらしい文章も書かれてはいなかった
「…まいったなぁ…」
奈々美が額に手を当て呟いたその時、三人の話している会話が聞こえてきた
「でも最近の新入隊員はこんな長文なんて書かないし、こんなに写真も可愛く写ってたらまた更に注目されちゃいますね隊長!」
「…何故俺に振る」
乱菊が発した言葉
実を言うと奈々美は一番その事を案じていたのだ
自分がみなの注目を浴びてしまうと必然的に六番隊の女二人組みの様な輩が現れるのは目に見えている
だが直接喧嘩を売って来るのはあの二人組みだけで、本来ならばもっと沢山の死神が奈々美の事を良くは思っていないだろう
それは護廷隊に入隊する前から奈々美自身覚悟の上での事だった
それに彼女にはそれに勝る固い決意と夢があったからこそ十番隊三席になることを望んだのだ