第4章 Mighty Long Fall
[文武兼備]1
バァンッ
「乱菊さぁん♡奈々美ー!!会いに来ましたよー!」
「「あっ修兵(さん)!」」
部屋のノックもせずズカズカと入り込んで来たのは、九番隊の檜左木修兵だった
彼の手には大量の冊子が握られている
「…オイコラ檜左木…」
この様な声がしたのは部屋の一番奥
たった今ドス黒いオーラが放たれた所からだった
「うぁ…日番谷隊長いらしてたんですか…」
そのオーラに怯む修兵
最早女二人は彼を哀れみの目でしか見ていない
「…最初からやり直せ…」
「はい…」
コンコンッ
「失礼します 九番隊の檜左木です!」
「入れ」
「ハッ失礼します。この度は先程完成した今月号の瀞霊廷通信を配布しに来た所存にてごさいます!」
シ~ン…
この様に最初からやり直した修兵だったが見事に執務室は白けてしまった
やり直せと命じた冬獅郎本人でさえもあっけらかんとした様子
しかし、この静寂は乱菊によって破られた
「ギャハハハハ!!マジ何なのアンタウケる!つうか『所存』ってどこの時代劇よ。アンタもうちょっとキャラ考えなさいよね」
腹を抱えて笑う乱菊に、口に手を添え笑ってる奈々美
そして呆れ顔の冬獅郎
修兵は恥ずかしさで今にも泣きたい衝動に駆られた